■マラウイ



マラウイ北端からマラウイ湖沿いに南下し、首都リロングウェを経由して西のザンビアへ抜けるルート。タンザニア同様に自転車旅行的には定番のルートである。というか他に手頃な道もねーし。みたいな。沿岸、高地ともに多少のアップダウンがある程度で概ねフラットだが、沿岸と高地の間はアップダウンの多い山岳になっている。

アフリカでも最貧国のひとつ、なんてウィキペディアに書かれるだけあってマラウイはボロい。特にアフリカ随一とも言われるのが挨拶代わりに掛けられるギブミーマネーコール。各国からの援助に慣れきってしまっていてタカリ根性が染み付いてしまっている。アフリカの貧しい人々はココロは清い!とか思っているとショックで死にたくなるので強い心が必要だ。

タンザニア同様にネイティブなアフリカ、18世紀にタイムスリップしたかのような、空間全体に時代錯誤感がある。宿が意外と少なく、値段もタンザニアよりちょっと高くて1000〜1500円くらいのところが多い。マラウイ湖沿岸には自動車旅行者向けのロッジが散在しているが自転車だと悪路を越えていかなければならず、面倒くさい。ちなみにスワヒリ語は全く通じず、逆に英語は通じやすい。地方集落では土着のチェワ語しか通じないこともある。

Picasa 地図上で写真を見る@Picasa(■準備中) ※別ウインドウ/別タブで開きます
総走行距離 推定800キロ前後
滞在期間 2007年3〜4月 / 2011年8〜9月
特記事項 宿が少ない、メシがしょぼい、スーパーの品揃えが少ないと旅行するにはいろいろ不都合が多い。パッと見はタンザニアと似ているが、町は広くまばらに作られていてタンザニアのように行き当たりばったりだと宿探しに手間取ることもある。
ムズズやリロングウェなどの高地やマラウイ湖沿岸は比較的涼しく、日中30度以上出ていても朝晩は20度くらいまで冷え込む。それ以外の低地は暑い。
この国にも日本からのJICAボランティア(海外青年協力隊)の隊員が多く派遣されている。まあアフリカはそういう国が多いんだけど、マラウイは特に多いようで全土で80名くらいが常時滞在しているらしい。
タンザニアよりもさらに国際キャッシュカードが通用しづらい。FMB銀行ではシティバンクカードが使えたが他の銀行はほぼ全滅。新生銀行だとどうなのかはわからない。主要な町やンカタベイにはFMB銀行があるが、ATMがトラブルで一時的に利用できないことも多々あるのでうっかり現金が切れないように注意したいところ。
治安 タンザニア同様に貧しい国だが、比較的おとなしい人が多い(騒がしい人も多いが)。デモや暴行事件などは比較的ない方といえるだろう。しかしモラルはあまりないのでネコババは多い。キャンプサイトでテントの前に置いておいた靴が盗まれた、なんて話も聞いたので所持品の管理は気を配ったほうがいいだろう。
また、ドラッグも結構あるらしい。大麻かな?そういうのを目当てにしている旅行者もいて、まあ大人なんだし好きにすりゃいいけどね……。電力不足なので日が暮れると真っ暗になり、店もほとんど閉まる。
旅行中メモ 旅行中メモ第24回:主に東アフリカのもろもろ



エリア 地名 標高 ルート詳細
キエラ(タンザニア国境)
〜カロンガ
〜チルンバ
〜ハラ
KyelaBorder
→Karonga
→Chilumba
→Hara
500(KyelaBorder)
→500(Karonga)
→600
→500(Chilumba)
→500(Hara)
タンザニア国境を過ぎるとカロンガまでは点々と集落があるフラットな田園地帯。カロンガの町はタンザニアと異なり、広くまばらに町が広がっているのでどこへ行ったらいいかわかりにくい。宿に関してはこのページ下部に後述する安宿情報を参考に。また、マラウイは国際キャッシュカードが使える銀行が少ないので注意したほうがいいかも。
カロンガからチルンバまでも概ね平坦、ときおりアップダウンがある程度。湖を眺めながら走れる区間はあまりなく、閑散としたアフリカのど田舎といった感じの道。
チルンバの手前に三叉路があり、湖の方向に5キロほど行くとチルンバの村があるが、小さい村なのでわざわざ立ち寄る必要性は薄い。いちおうロッジもあるらしいが悪路になっていて僕は行くのをあきらめた。三叉路から2キロ南下するとスーパー「ピープルズ」のあるウリワの村があり、さらに6キロ南下するとハラの村がある。どちらも宿があるかないか、というくらいの小さい規模だが、ハラの村には1.5キロの悪路を越えると湖畔にロッジがある。
ハラ
〜(バス)ムズズ
〜ンカタベイ
Hara
→(バス)Mzuzu
→NkhataBay
500(Hara)
→550
→450
→1050
→820
→1000
→1200(Mzuzu)
→1300
→500(NkhataBay)
ハラの村からはバスでスキップ。地図を見てもわかるが、アップダウンのある湖畔を進んだあとに山道に入る。ルートはリビングストにアを経由するものとそうでないのと2種類あり、バスでは後者を進んだ。ここの傾斜はかなり急で路面も荒れ気味。リビングストニアは一応観光地で、崖からマラウイ湖が一望できるらしい。
山道は麓の集落から1050まで上がり、そこまで補給はなし。その後820まで下り、再び1000まで上って平原になる。ムズズの手前で1200まで上る。
ムズズからは傾斜のきつい坂を上った後に下りに転じ、道は再びマラウイ湖畔へ向かう。下り基調だが意外とアップダウンがある。途中には数カ所の集落とまばらに民家がある程度。湖沿いの国道から数キロ、100下った湖畔にンカタベイの村がある。ここは一応観光地で、ビッグブルースターBigBlueStarとマヨカビレッジMayokaVillegeという安いキャンプサイト&バンガローが2ヶ所あり、白人観光客も少数ながら見かける。村自体はマラウイクオリティなので真新しい施設などはほとんどないが、アフリカののどかな田舎といった場所。前述のキャンプサイトではWi-Fiも飛んでいるが不安定で停電も多い。今後ロッジなどが増えるかもしれないが、基本的にはボロいままだと思う。
ンカタベイからは週に2便のフェリーが発着している。詳細は後述。
ンカタベイ
〜ドワングワ
〜ンコタコタ
〜サリマ
〜リロングウェ
NkhataBay
→Chinteche
→(バス)Dwanguwa
→Nkhotakota
→(バス)Salima
→Lirongwe
500(NkhataBay)
→600
→500(Chinteche)
→500(Salima)
→1250
→1000
→1200
→1000(Lirongwe)
ンカタベイから国道まで100上り、その後は平地またはゆるい下り。チンテチェ以降の湖畔ルートはサリマまでほとんど平坦のまま。諸々の都合で一部バススキップしているが集落などはときどきあり、最低限の補給はできる。しかし過疎な区間なので食料や水は確保していたほうがよさそう。村に手頃な安宿もあまりない。サリマは国道から5〜8キロくらい湖畔側へ走った場所にあり、ここもカロンガのようにまばらに町が広がっている。西と東で2ヶ所バス乗り場があり、東側のほうにメインの町?がある。
サリマの国道分岐点から西へ進むと道は次第に上り始め、じわじわ標高が上がっていく。気温もやや涼しくなる。1250まで上がった後、アップダウンが続き、いったん下った後にまた1200まで上り返す。途中には何ヶ所か集落もあり、補給はできる。カールスバーグの巨大なビール工場が見えてきたら町まであとちょっとだ。最後に下ってリロングウェに着く。
リロングウェは高いビルこそないものの、首都だけあって他のマラウイ国内の町よりは発展している。市街中心付近には真新しい雑貨屋や2010〜2011年頃にできた外国資本のショッピングモールもあるが、輸入商品は日本並みに高い。郊外にも新しくショッピングモールが建設されていたので、これからまだ発展していくのだろう。
新市街から川を渡ると旧市街がある。日中の治安はさほど悪くはないと思う。むしろサリマ〜リロングウェ間のギブミーマネーコールが酷く、そちらの民度の低さが気になった。たまたまかもしれないが。
マラウイからザンビアに移動すると物価が上がる。同じ大型スーパーでもザンビアの方が全体的に高い。豆などの携帯食はあらかじめマラウイで買い込んでおいたほうがいい。
リロングウェ
〜ムチンジ
〜ザンビア国境
Lirongwe
→Mchinji
→Border
1000(Lirongwe)
→1150
→1050
→1100
→1050
→1150(Mchinji)
→1200(Border)
リロングウェからいったん国道を上り返し、その後はムチンジまでゆるく上ったり下ったり。あまりきつくはない。途中には集落もたびたびある。ムチンジの先にはちょっとした山があり、そこを越えるとザンビア。ムチンジから10〜15キロほど進むと国境、39キロでザンビアの町チパタに着く。
ザンビア国境 Border 1200(Border) 両国の事務所でそれぞれスタンプをもらうだけで簡単に通過できる。ザンビアのビザは2011年には国境で取得できた。政治的には安定しているので今後も簡単に取得できると思う。両替商もいる。
ちなみにムチンジにはFMB銀行のATMがあるので、ザンビアから入ってきた場合でもマラウイ通貨の引き出しができると思う。マラウイでは国際キャッシュカードが使える銀行が少ないので注意したほうがいいかも。



■シマノ取り扱い自転車ショップ

場所
チューブ
/パンク
用品
チェーン
ワイヤー
26インチ
スリック
タイヤ
26インチ
ホイール
コンポ
工具
/小物
オイル
サイクル
パンツ
詳細 写真
マラウイ
/リロングウェ
×
×
×
×
×
×
タンザニア同様に先進的な自転車屋はほぼ皆無。リロングウェ新市街中心にあるショッピングモールで多少ある程度。安物のチューブやワイヤーなどはなんとかなるかもしれないが、シマノ製品などはほとんどアテにならない。今後も少なくとも2020年くらいまではできないだろう。 クリックで移動



■その他の情報

種別 場所 詳細 写真
地図 マラウイ
/カロンガ
恐竜博物館にマラウイ国内で流通しているイギリス製の地図が置いてある。販売していたかどうかは忘れてしまった。 クリックで移動
地図 マラウイ
/ムズズ
市街にあるレストラン「フードランド」近くのレンガづくりの建物に本屋があり、イギリス製の地図が売っている。値段は500円くらいだったかな……。精度はかなり高く、村や湖畔のロッジの有無も書かれている。
それから市街の外れにある高級ホテル「サンバードホテル」の売店でも売っている。
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安宿 マラウイ
/カロンガ
Tukumbukeghe Motel という宿。 バス乗り場からは500〜1000メートルくらいだがスーパー「ピープルズ」が近くにある。1泊2000クワチャ=約1000円。バス乗り場周辺には宿がなかったような気がするので、困ったらアテにしてもいいかもしれない。湖畔を含め他にも宿があるが、カロンガの町はだだっぴろく、市街から湖畔までは2〜3キロある。それぞれストアやスーパーから離れていて不便。 クリックで移動
安宿 マラウイ
/ムズズ
ジコモロッジZikomo Lodge という宿。バス乗り場の裏手にある3階建ての宿。バス乗り場周辺は混雑しているので場所はちょっとわかりづらい。1泊3000クワチャ=約1500円。部屋は綺麗。お湯は出ないが頼めばバケツにお湯を汲んできてくれる。ちなみにジコモとはチェワ語でサンキュー、ありがとうの意味。 クリックで移動
安宿 マラウイ
/ンカタベイ
ビッグブルースターBig Blue Star というキャンプサイト&バンガローが村の入口付近にある。テント泊500クワチャ=約250円、個室1500クワチャ=約750円。Wi-Fiもあるが故障していることもある。観光客向けの料理も取り扱っている。
マヨカビレッジMayoka Village(写真なし)は通りの奥、岬の向こう側にある。村から2キロほど離れている。途中の道は悪路なので自転車だとツライ。やはり観光客向けの料理も取り扱っているようだ。
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安宿 マラウイ
/リロングウェ
ムファサロッジMufasa Lodge という宿。新市街にある。HostelWorld.comで確認できる旅行者向けの安宿。部屋は綺麗でシャワーもお湯が出る。インターネットは1時間300円くらいという高価格設定なので、新市街のレストランやモールでプリペイド式のカードを買った方が安い。 クリックで移動
フェリー マラウイ
/ンカタベイ他
マラウイ湖のフェリーは1週間に2便かろうじて運行している。大まかなルートは、マラウイ湖北西部のカロンガの村付近のンバンバベイからンカタベイ、リコマ島、ンコタコタ、サリマの東岸、モンキーベイ、というルート。これを2便のフェリーがそれぞれ2週間かけて往復しているらしい。ンカタベイでは日曜日に南下するフェリーが、月曜日に北上するフェリーが来て、そのときは村の通りに市場がたっていつもより賑わう。一等デッキや個室もあるようだが、料金表をみるとマラウイにしてはやたら高い(1000クワチャ=約500円)。フェリーは乗っていないがボロくて遅く、ンカタベイから一晩かけてリコマ島、モンキーベイまではさらに1日か2日かかるらしいので、観光客が利用する価値はあまりない。バスの方が安く早くたどりつける。 以前はタンザニアやモザンビークまで運行していたらしいが、今も便があるのかはよくわからなかった。まあそれでもあまり利用価値はないだろう。現地民にとっては、マラウイ湖に浮かぶリコマ島への唯一の足となっているので、フェリーが壊れるまではかろうじて運行は続くだろう。 クリックで移動
バス マラウイ
/リロングウェ他
マラウイでは少数だがワンランク上の大型バス(エクスプレスとか言われる)が運行している。AXA(アクサ)というバス会社で、車両もやや新しく、弱いがなんとエアコンがついている。また、途中の小さい町であまりストップしないために所要時間も3割ほど短く移動できる。バス旅行者がンカタベイからリロングウェまたはブランタイヤに手っ取り早く移動するには、ムズズからこれに乗るのが最短。料金は通常の5割増しといったところだが、ムズズ〜リロングウェ(約500キロ)で1250円といったところ。物価自体安いのでポンコツバスでノロノロ行くよりも楽だ。 なし


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