国民年金の支払いについて


海外で1年以上に渡り旅行(生活)するに当たって国民年金の支払いはどうなるのかを調べた。
この場合、日本での住民票は抜くものとする。(住民票を抜かないと住民税がかかっちゃうからね)
30年後くらいに年金システムが崩壊してるかどーかはとりあえず無視する

※住民票は「日本の○○市に住んでます」というもので、それによって住民税(住んでるなら公務員の給料払ってね)が発生する。
どこにも住まないなら住民票を抜く(住民登録しない)ことができる。
(住んでる以上は住居の賃貸契約や免許証などに住民票が必要となるのでインチキはできまそん)




○年金の積み立て額と受給額の変化について


社会保険庁のサイトで年金額の簡易試算ができた。3年間旅行に出て、帰ってきてから再就職して年金積み立てを完納した場合の年金受給額を比較すると次のようになる。

■年金受給額
旅行中も国民年金を支払う:年額179万円(月額14.91万円)
旅行中に国民年金を支払わない:年額173万円(月額14.41万円)
【参考】旅行行かずにずっと働き続けて天引きで厚生年金を支払う:年額187万円(月額15.58万円)

■旅行中の年金積み立て支払額 ※毎年1年分をまとめて前納した場合
1年間:17.22万円(172,230円)
→3年間:51.67万円(516,690円)

つまり51.67万円支払っておくと年金受給額が年間5000円アップするわけである。
この年金=老齢年金は死ぬまで受給されるので、65歳の受給開始から8.5年経過すると元が取れる。
74歳以上生きれば毎年5000円ずつ得していくことになる。

このとき、同年齢の相手と結婚していれば相方も年金をもらえるので
世帯年収約360万円くらいから6万円引かれる計算になるが、独身だと世帯年収179万円から6万円引かれて173万円となり、
減額分の割合はやや大きくなる。

【結論】
3年間なら支払わなくてもいいかのう。60歳くらいで死ぬかもしんないし、
70歳超えてからの人生で毎月5000円の収入ダウンが致命的とも思えない。

むしろ帰国後にちゃんと再就職して生涯会社員を続けられるかどーかが重要である。
一番最初に「帰ってきてから再就職して年金積み立てを完納した場合」と書いたが、
就職してから定年までずっと会社員やって厚生年金を支払いつづけると年額180万円くらい受給される。
しかし非サラリーマンで国民年金を支払いつづけると年額90万円くらいにしかならない。
これはサラリーマンの厚生年金の方が支払い額が多いからである。


○厚生年金と国民年金


不勉強で表現に誤りがあるかもしれないが、下記のような具合である。

厚生年金:サラリーマンの給与から天引きされる年金積み立て
       (給与の14.996% ※2009年度現在。毎年微増している)
国民年金:非サラリーマンが役所に支払う年金積み立て
       (月額14,660円 ※2009年度現在。毎年微増している)

厚生年金の方が積み立て額はずっと高くなるので、それだけキャッシュバックも大きくなるというわけだ。
前述の年額179万円〜とか言うのは、社保庁のサイトにあるサラリーマンの生涯での平均月収参考を元に算出している。
それによればサラリーマンの生涯での平均月収(額面)は33万円だそうである。

僕の社会感覚だと20代で額面20〜30万、30代以降で27万〜 という具合なので、
20〜60歳までで平均すると33万円というのはそれほど間違っていないように思える。

もっと稼ぐ人はそれだけ給与から天引きされる額も増えるが年金受給額も増える。
低収入の人は年金受給額は減るが、もともと国民年金より厚生年金の方が支払い額が高いため
結果的に受給額は非サラリーマンより多くなる。

■40年間ずっとサラリーマンと40年間ずっと非サラリーマンの年金受給額の差
サラリーマンで平均月収33万円(厚生年金で支払い):年金受給額は年間194万円
非サラリーマン(国民年金で支払い):年金受給額は年間79万円

サラリーマンの年収は一般的に年齢が上がるほど高いので、サラリーマンをリタイヤするなら
なるべく高齢まで働いて多額の厚生年金を支払っておいたほうが年金受給額は上がる。
逆に30歳くらいでリタイヤして以後ずっと非サラリーマンだと年金受給額は79万円に近くなる。
26歳の僕が旅行中も国民年金を支払わず、帰国後にずっと非サラリーマンだと86万円と出た。
月額で7万1600円である。持ち家もなく結婚もしてなかったら野垂れ死ぬな。

【結論】
3年間なら支払わなくてもいいかのう。60歳くらいで死ぬかもしんないし、
70歳超えてからの人生で毎月5000円の収入ダウンが致命的とも思えない。
ただし、帰国後は頑張って再就職活動をしよう。



以上、知識不足ながら調べた結果をレポートしてみた。
会社員やってるときは何十年も先の年金の事とか真面目に考えたことなかったのでどなたかの参考になれば幸いである。


○補足 〜旅行とか関係なしにただ無職になった場合には〜


ここまでのレポートは「住民票を抜いて海外生活を行う」という前提の話である。
この場合、国民年金は「任意加入」という形になるので3年間払わないという選択もアリだが、
日本で生活して住民票がある以上は国民年金は「義務として加入しなければならない」ので、
支払わないと督促状が来るそうである。あまり詳しく調べなかったがたぶんそのはずである。

ただ収入がなくて支払いが困難な場合、申請すれば国民年金の支払い額を
4分の1〜全額分を減額することができる制度がある(全額を減額したら支払額はゼロ)。
年金受給額もダウンするが、上記制度を申請していれば後になって追納することも可能だそうな。
もし非サラリーマンで年金とかワロスw払ってねーわw という方がいたら参考にしてほしい。

上記制度を申請しない場合は「過去2年分までの年金しか支払えない」事になっている。
つまり全く年金を支払わずに40歳とかになってから20年分払いますわ、という技は使えないはずである。
このへんは今のところ僕とは関係ないつもりなのであまり調べていないが、
ギクッとした方は手遅れになる前に調べておいたほうがよいと思う。





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