航空会社の選択と自転車の輸送方法について


僕の場合はロサンゼルススタートなので成田−L.A間の航空券は豊富にあった。
しかし当然ながら航空会社や時期などで値段は大きく上下する。

最終的には大韓航空の往復航空券(成田→ロス直行便)を使用した。
主な選択の理由は値段の安さと直行便であること、自転車輸送費がそれほど高くないことの3点。

大韓航空のHPには自転車の輸送について次のように規定されている。

  - 米州地域は超過手荷物料金の50%を支払い
  - その他の地域は5kgに該当する超過手荷物料金を支払い

  1)手荷物が2個以下でも、23kg(50lbs)以上32kg(70lbs)以下の場合、以下のように超過手荷物料金が課されます。              
  −韓国発:50,000ウォン        
  −米後発:50USD            
  −カナダ発:60CAD           
  無料手荷物個数を超えた場合の超過手荷物料金は出発国によって異なります。


ということなので、だいたい3000円程度の出費で済むようだ。
と思って航空会社のデスクに確認したら、成田では9,500円徴収されるそうな。なんじゃそりゃ!
少しだけ食い下がってみたけど、成田での荷物の超過料金は19,000円だそうで、
その50パーセントということらしい。ちっしかたねー。



航空会社、チケットの良し悪し


FIXとかオープンジョーとか言ったチケットの種類の解説は他のサイトに任せるとして、
格安航空券の購入(予約)時期はだいたい出発の1〜2ヶ月前くらいが望ましい。
夏季や年末年始、GWなどはもう少し早い方がいい。3月も卒業旅行シーズンなので混雑する。
一番安い便などはこの時期にだいたいとられる。
ロサンゼルスへはカナダ航空が7〜8月のピーク時でも異常に安かったが5月初頭には全て予約が埋まっていた。

ピーク時は1日違いで値段が2万円違う、というのはザラなのでできるだけ早いうちに予定を立てたほうがいい。
自分は2009年7月15日成田発ロサンゼルス行きでチケット代\51,000、諸経費込み\66,215だった。
ちなみにこれが翌日の7月16日発だとチケット代だけで¥80,000になってしまう。
8月に入ると軒並みチケット代130,000〜150,000円となる。

※このピークシーズンの急激な価格変動は航空券販売の歴史から言って日本独自のものらしい。
海外で購入するとここまでの変動はないそうである。(それでも年末年始などは高くなるだろうが)


旅行代理店で航空券を買うと代理店に支払うお金がだいたい15000〜20000円くらいとられる。
今やネット全盛の時代なので航空券も検索できるし、
格安航空券を買うだけならもはや代理店を利用するメリットはないと言える。
どうせ代理店でも同じような検索をするだけなのだ。
航空券の購入は楽天トラベルアルキカタ・ドットコムが有名で探しやすい。
他にもいくつかあるが、どれも基本料金や便の種類は大して変わらないようである(少なくとも格安に関しては)。

とりあえず安い航空会社についてネットで調べて分かった印象としては以下のような感じ。(2009年5月現在)
・中国国際航空は安いが扱いが最低レベル
・ノースウェスト航空はコスト削減体質が強くてサービスが悪い(輸送に関しては分からない)
・タイ、マレーシア、シンガポールはよい。スカンジナビアもよい。大韓航空、アシアナ航空も悪くない。
・エミレーツもサービスがよい。(僕はロストバゲージしたが確かにサービスは良かった)


片道航空券について


基本的に片道航空券は安くない。
あまり出回っていないので航空会社間で競合しないため、値段が下がらないようである。
もうひとつの理由は、片道航空券だと入国審査が厳しくなる場合が多いからだ。
つまり外国人が帰国の航空券を持たずに入国してきた=就労ビザや留学ビザを持ってるんだよな?ということである。

しかし当初、たまたま早期割引の効いた安い片道航空券が見つかったのでホイホイ買ってしまった。
燃油サーチャージ代や空港使用料など諸経費が安く済むようだったので食いついてしまったのだが、
結果的にこれは失敗で、キャンセルして往復航空券に切り替えた。

というのも、アメリカは片道航空券による入国審査が非常に厳しいためだ。
通常ならビザ免除制度の適用により、必要な手続きをしておけばビザ無しで入国できるのだが、
この制度の条件のひとつに「帰りの航空券を所持していること」というものがある。
片道航空券だけでは当然条件を満たさないので日本のアメリカ大使館で観光ビザを発給してもらう必要があるのだが、
手続きが異常なほど面倒な上に130ドルもかかり、しかもそこまでやっても
「長期の旅行なので」という理由ではまず観光ビザはおりないそうだ。

理由は9.11テロに起因する不心得者や不法移民の排除が目的である。
面倒な仕事はやりたがらないお役所根性も相まって、たとえ仕事であろうと(会社からの推薦状があろうと)
観光ビザがおりないケースもあるという。そんな状態なので観光目的ではハジかれて当然なわけである。
(ただし、帰りの航空券を予約しておいて入国審査時に見せ、現地からキャンセルするという手もある。
 そこまでやるメリットはあまりないが)

他の国でも同じような制度になっていることが多い。
ただ最終的には入国審査官のハラ一つで決まるらしく、強引に突破したケースを1つ知っている。
南アフリカで拒否されたときに「自転車でアフリカ縦断するんです!」という旨を資料もまじえて説明したところ
許可された方がいた。とはいえ、入国でトラブルを起こすのはリスキイなのでなるべく避けたほうがいい。


空港までの自転車の輸送方法


梱包さえできていれば、空港まで荷物を届けてくれる運送業者がある。ABC空港宅配がそれだ。
事前に自宅まで引き取りに来てくれ、出発当日に空港内の宅配カウンターで受け取れる仕組み。
料金は関東→成田空港で自転車1台3,000円。もちろん他の手荷物も預けることは可能。

自転車に関しては電車やバスでの輸送が大変なので素直にこれを使った方がよい。
アフリカ行きのときはこのシステムを知らず、
輪行袋に入れた自転車&キャリア類+サイドバッグ×4で合計40キロ以上の荷物を
東京から名古屋空港まで運ぶのにヒイヒイ言っていた。めちゃくちゃ大変である。

梱包に関しては自転車ショップの段ボール箱か、
7000円するけどカブトから販売されている輪行函に梱包するのがいい。
前に使ったことがあるけどなかなかの耐久性。車輪は酷使するとすぐ外れるがw
いずれの場合も自転車を分解した状態で緩衝材を詰めた方がベター。
新規に車体を購入する場合、空港宅配の引き取り先を自転車ショップにすることもできる。


カブト ダンボール製輪行函 車輪(キャスター)有り


カブト ダンボール製輪行函 車輪(キャスター)無し



自転車の輸送方法


自転車の輸送については各航空会社でまちまちで、無料〜150ドルくらいの開きがある。
詳細はこちらのページが詳しい。
まあ金がかかれば対応もちゃんとしてくれるような気もするが、
ケチな会社は扱いも悪い印象があるので何とも言えない。
経済の情勢によっても随時変動するので各航空会社に問い合わせた方がよさそうである。
航空会社のサイトに電話番号が載っている。(もちろん日本の)

荷物運搬の重量制限は今まで結構ゆるくて2、3キロオーバーしても見逃してくれるケースが多かったようだけど
(2007年にエミレーツを使ったときは3〜4キロくらい大目に見てもらった覚えがある)、
2008年の大不況以降、燃料費の高騰によって各航空会社ともに厳正になった…らしい。
重量オーバーは1キロにつき5000円もかかったりとやたら高いので自転車などを運搬する際は要注意。
特にノースウェスト航空なんかは預け入れ荷物は1個までという制限がついた。1人1個てw 少なすぎワロスw
こういう場合は大きなバッグなり袋なりに荷物をまとめれば1個として扱われるが、
破けたりするとロストしそうなので梱包は丁寧に。

航空券は直行便が望ましい。経由便だと預けた荷物(自転車)がロストまたは運搬時に破損する危険がある。
(と言いつつ値段の安さに負けて経由便を選択しているが(^^; 価格差が1万円くらいなら僕なら直行便を選ぶ)
前にエミレーツ航空(ケープタウン→ドバイ→名古屋)を利用したときはドバイでロストして
数日後に届いた梱包袋(オーストリッチOS-500)は穴が空いて自転車も各部が破損していた。
このときは帰りだったので緩衝材の詰め方が甘かったせいもあるのかもしれないが…。
(自分は緩衝材にティッシュペーパーなどを使っていた)
なるべく梱包をしっかりやって箱にデカデカと行き先(乗り継ぎ便名)でも書いた方がよさそうである。

第三世界の小さい便だと自転車を直接乗り入れさせてくれるところもあるらしいが、
日本出国の際は上記が安全な手法と思われる。
アフリカ行きのときは復路も考えなくてはいけなかったのでOS-500を使用し、
現地ではテント内のマット代わりに使用したが、これはかさばるし寝心地も悪かった。
が、実用と合わせると落としどころとしてはまあまあだったのかもしれない。
現地(ナミビア)で適切な段ボールなどが見つかるかどうかもわからなかったのでそうしたが、
国によっては現地調達を念頭に置くのがいいだろう。
まともな自転車が売っている所であれば自転車を入れる箱もあるのだから。
航空会社によっては梱包剤を提供してくれるところもある(ノースウェストなど)。







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