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朝だ。昨晩の喧騒はどこかへ消えて、町はのどかな雰囲気に満ちていた。
宿で朝食をとろうとテーブルに座って待っていたが――夜に安宿を探してうろうろするのは危険そうだったのでいい宿に泊まっていた――、一向に来ない。
宿の支配人が「10分くらい待ってくれ」と言っていたが20分たっても来ない。すると宿の支配人が来て言った。
「コックが起きて来ないから朝食は出せないよ」
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,;f ヽ
i: i コック寝坊wwwwワロスwwww
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(. >ノ(、_, )ヽ、} l .i .! | なんて言うかぼけぇぇ
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/\..\\`ニニ´ !, { .ノ.ノ
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さて出発だ。今日はタンザニアの西部、アフリカ大陸に穿たれた大陸規模の溝である
大地溝帯に向けて標高1600メートルから1000メートル近くまで下るのだ。楽ちんである。
と思っていたらその間に延々と上り坂が立ちふさがった。どうやら峠を越えなくては下り坂にはならないようだ。
結局、標高約2150メートルまで上る羽目になってしまった。全身から狂ったように汗が噴き出し続けた。
やっとの思いで峠を越えると雨が降ってきて気温が15度近くまで下がった。汗が体を冷やして寒い。
さっきまで猛暑に耐えて登っていたのが嘘のようだ。
タイヤから跳ねる水しぶきに目をくらませながら下っていった。
町に着いた。タンザニア最後の町だ。ここを抜ければマラウイとの国境がある。
町で宿を探していたら、「ウチで安宿やってるから来いよ!」という男と知り合った。
彼はジミーと言い、軍人なのだが実家に帰って来ているところらしい。
僕は彼の親族が経営する安宿に一晩お世話になることにした。
彼は気さくで陽気で、この町のローカルな世界をガイドしてくれるそうだ。
話しているとよくダハハと笑いながらデカイ手でぼくの背中をたたく。ははは痛いよバカタレ。
しかし、これは願ってもない体験ができそうである。
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